ハゲタカファンドの意味と事例を知ろう

ハゲタカファンドの意味と事例を知ろう_アイキャッチ

「ハゲタカファンド」は死に体の企業に投資をすることで莫大な利益を狙うファンドの総称であり、一部の市場関係者からは忌み嫌われている。しかし有力な技術や豊富な資金を持つ死に体の企業に投資・再生させる役割を持つハゲタカファンドは、株式市場の透明性を高めるためには必要不可欠な存在だ。そんなハゲタカファンドの意味と、いくつかの事例について見てみよう。

死に体の企業の再生をうながす「ハゲタカファンド」

ハゲタカファンドとは、経営破綻状態におちいっている企業の債権や株式を買い取ることで事実上の経営権を握り、時には強引な再建計画に基づいて企業再生をおこなうことで企業価値回復することで利ざやを狙うファンドの総称である。一時的に経営破たん状態にある企業でも、買収者のハゲタカファンドが適切な措置をおこなうことで再生が期待できるため、経営破綻状態の企業に対して積極的な投資を行うことで知られている。

ハゲタカファンドとヘッジファンドは別物?

ハゲタカファンドと類似する投資方法を採用しているのが、いわゆるヘッジファンドだ。ではこのヘッジファンドとハゲタカファンド、別物なのだろうか。それとも同じものなのだろうか。ヘッジファンドは一般に機関投資家や富裕層等から私的に集めた資金を、デリバティブや空売りを含めた様々な手法で運用するファンド(私募ファンド)を指す。投資対象や投資手法などの公表が義務付けられている投資信託などの公募ファンドと異なり、私募ファンドでは 出資者にのみ報告すれば良いので、投資手法や投資対象の自由度は公募ファンドに比べて格段に高い。そのためリスクヘッジの一環として代替投資(デリバディブ)を駆使するなど投資方法の多様化が進み、その一環としてハゲタカファンドの役割を果たしているヘッジファンドも存在する。つまり、ハゲタカファンドはヘッジファンドに含まれるものであり、ほぼ同じものと言える。

ハゲタカファンドの事例:村上ファンド事件

さて、ハゲタカファンドの概要を掴んだところで、実際のハゲタカファンドの投資事例を見てみよう。日本国内でもっとも知られているハゲタカファンドの投資事例と言えば、ニッポン放送の経営権をめぐるフジテレビとライブドアの争いに巻きこまれた村上ファンドだ。国内有数のメディアグループであるフジサンケイグループは、その創設の経緯からニッポン放送がフジサンケイグループによって運営され、そのフジサンケイグループはフジテレビが舵取りし、そのフジテレビの親会社がニッポン放送という、ちぐはぐな経営状態だった。
この状況を改めるために上場後筆頭株主となった村上ファンドは、フジテレビと共同持株会社を設立して両社をその事業子会社とする案を提示したものの、ニッポン放送経営陣はフジテレビに対する第三者割り当てを実施、まずは資本構成の改めることとした。
その結果、一時筆頭株主が村上ファンドを運営するM&Aコンサルティング(16.6%) 、第2位「フジテレビ」(12.3%)となったものの、創業家である鹿内家の株式放出の知らせを聞いたフジテレビ側は、村上ファンドの意を受けて50%超以上を占める筆頭株主になり、親子関係のねじれを解消することを目標に、同社発行済み株式の公開買付け(TOB)を発表した。しかしこのTOBの直前に堀江貴文氏の率いるライブドアが時間外取引によって敵対的買収をしかけたため、村上ファンドはライブドア側につくこととなった。その後の経緯については紆余曲折があったものの、最終的にはライブドア側の自滅により費用負担を除いて当初の予定通りに進展した。

ハゲタカファンドの事例:サーベラスの西武鉄道買収

東京都心部と埼玉県南西部を結ぶ私鉄である西武鉄道は、西武グループに大きな影響を及ぼすコクドの不正会計が明るみに出たことより上場廃止となった。西武鉄道株は外資系ヘッジファンドのサーベラス・キャピタル・マネジメントにより買収され、当初は友好的な関係を保っていた。しかし2012年10月と2013年3月に再上場の実現を目的として提案した大規模なリストラ案とその拒否をきっかけに敵対的TOBをおこなうまでに関係が悪化した。最終的にサーベラス側の敵対的TOBが失敗に終わったことでサーベラスは西武鉄道株を売却、西武鉄道は自社計画にしたがって再上場を成し遂げた。

おわりに

ハゲタカファンドは企業再生に成功すれば莫大な利益が転がり込んでくる旨味があるものの、急進的な再建計画によって投資対象の企業から反感を買うことが多く、失敗に終わる可能性は低いものではない。しかし探せば成功例を積みかさねているファンドがあるのも事実であり、ハゲタカファンドと言われながらも企業再生の重要な役割を担っていることが伺える。

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