カラ売りで儲けるための考え方

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ニュースなどでときどき話題になるのが、大型の企業合併などでインサイダー取引によるカラ売りがおこなわれ、巨額の利益を得た投資家が逮捕されるという事案だ。ここで気になるのが、取引方法として出てくる「カラ売り」だ。カラ売りは通常の取引とはどのような点が異なるか。今回はカラ売りの仕組みと概要、カラ売りで儲ける考えかたについて見てみよう。

下落局面で借りて売る「カラ売り」

通常の取引では、資金と引き換えに株式などの資産を購入し、値上がりや値下がりに応じて資産を手放すことで資金と引き換える「現物取引」をおこなっている。このような現物取引に対して、カラ売りは取引時点では手元にない資産を証券会社などから借りて売り、取引市場で買いもどすことで利益を狙う取引をおこなう。
このような取引は「信用取引」と呼ばれ、信用取引を活用した取引としてもっとも知られているのが「カラ売り」だ。カラ売りでは取引開始時点での価格よりも手放す時点での価格が下がることを期待した取引であり、取引市場の下落局面で積極的に利益を狙うのに欠かせない取引方法と言える。

カラ売りの具体的な流れ

このように現物取引とは反対の取引をおこなうカラ売りでは、取引の流れも現物取引とは異なる流れをたどる。空売りの流れを簡略化したもので大雑把に見てみよう。

  • 1.投資家は証券会社から資産を借り、取引価格100円で売ることで代金100円を手にする
  • 2.市場での資産の取引価格が下がり、同じ資産を取引価格90円で手にする
  • 3.手にした資産を証券会社に返却すると、100-90で差額の10円が手元に残り、利益となる

という流れになっている。

実際の取引では、投資家は証券会社に対して売買に関わる手数料や資産を借りたことによる貸株料などを支払う必要があり、反対に証券会社は投資家に対して預かっている資金の金利(日歩)を支払う必要がある。

カラ売りは資産価格の値下がりを期待する取引だが、カラ売りをしているときに値上がりをすると、投資家にとっては損失となる点には注意が必要だ。「買いは家まで売りは命まで」と言われているように、カラ売りで得られる最大の利益は倒産などによる株式の無価値化だが、最大の損失は資産価格が値上がりする限り増えるため、理論上無制限になっている。そのため、カラ売りではある程度のところで取引を打ち切る損切りの設定が絶対に欠かせない。

カラ売りのメリット・デメリット

通常の取引とは反対の流れで取引をおこなうカラ売りは、相場の下落局面で取引の流動性を確保するのに欠かせない役割を果たしている。しかしあまりにカラ売りが増えすぎるとパニック売りにおちいるため、日本では直近の取引所の株価(直近公表価格)以下の値段でのカラ売りを原則禁止するという「カラ売り規制」、アメリカでは発行価格決定の5営業日前以降にカラ売りをした投資家に対して増資で発行される新株購入を禁止する「レギュレーションM」の制定など、極端なカラ売りを禁止する様々な規制が導入されている。
特に規制の対象となっているのが、公募増資(IPO)などでのカラ売りだ。インサイダー情報に基づいて投機的なカラ売りをおこなうことは、企業の資金調達を妨害することになるため、厳重な規制がおこなわれている。

おわりに

このように下落局面に掛けて取引をおこなうことで利益を狙うカラ売りは、ハマれば大きな利益を期待できるが失敗すれば根こそぎむしられる危険の大きい取引だ。また、大型増資などの局面ではインサイダー情報などにより取引の透明性を歪めねかねないため、重い規制の対象となっている。しかし本来であれば損失しか生じない下落局面で利益を狙えるカラ売りは見逃せない投資方法であり、積極的に利用したい取引方法の1つと言える。

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